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活動紹介

歯科用貴金属が歯科医療を崩壊させる
2019-10-07
カテゴリ:私たちの主張
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10月の消費増税にともなう診療報酬改定が告示された。歯科では歯冠修復、欠損補綴において歯科鋳造用金銀パラジウム合金(以下、金パラ)を使用している。この材料の高騰が止まらず、20年前の価格の約6〜7倍にもなっており、医院経営を圧迫し深刻な問題となっている。今次改定では金パラの材料価格は1グラム1675円とされ、現在の1458円から217円(14・88%)の引き上げとなった。しかし、この価格で今までの不採算が解消されるはずもない。
 
また今の歯科材料の中に金パラに取って代わるものがないのも現状である。過去には金パラの代替材料の開発が行われていたという話もあったが、今のところ製品として世には出ていない。あるいは現在一部での制限はあるもののCAD/CAM冠や硬質レジンジャケット冠が保険適用となっているが、それを拡大適用させてはどうかという議論もある。しかしそこに踏み込めない縛り「クラウン・ブリッジ維持管理料」という施設基準が歯科にはある。一度歯冠修復が終了した歯牙には2年間、保険での再製作はできず、医療機関の責任において無償で再製作をしなければならないというものである。CAD/CAM冠等には金パラで作られた冠とは違い2年以内に破折を起こす可能性があり、冠が破折してしまい再製作を余儀なくされた場合は、その費用は医療機関の持ち出しとなる。金パラの高騰、その上に再製作費用が多くなれば、経営が益々逼迫してくることは至極当然である。
 
このような歯科保険医療の不合理な状況を続けることは経営悪化だけではなく、患者に保険で良質な歯科医療を提供することを困難にし、ひいては国民に重大な不利益と負担増を強いてしまい、歯科医療が崩壊するといっても過言ではない。
 
今こそ、歯科用貴金属の保険償還価格と市場価格との大幅な乖離を防ぐ抜本的な見直しや、歯科医師が安心して患者に治療が行える保険適用の拡大を含めた診療報酬改定を、国に強く求めていくことが急務である。
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