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活動紹介

「届出できない」施設基準 歯科の施設基準の問題点
2018-12-05
カテゴリ:私たちの主張
「届出できない」施設基準
歯科の施設基準の問題点
 
 そもそも施設基準(届出医療)とは
 
 1950年から実施されていた完全看護、完全給食、完全寝具設備の考え方を踏襲して、1958年10月にスタートした「看護、給食及び寝具設備の施設基準」、いわゆる「三基準」が前身。
 
 1994年4月、10月改定で施設基準の医療は「承認制」から「届出制」になったことで、医療機関が特性を踏まえて自己責任で選択する「届出医療」制度に移行した。
 
 医療機関側の責任で「届出」を行う(自己責任)ため、「承認制(許認可制)」と大きく異なる。施設基準要件に適合しているかどうか、行政側が書面上の要件審査は行うものの、届出時の実地調査はしない。
 
 届出時における行政側の確認は書面審査のみだが、届出後に「適時調査」と「7月1日付報告(定例報告)」で確認される。「適時調査」の結果、施設基準要件に合致していないとされ、万が一届出受理が取り消される場合には、返還を求められる。地方厚生局に業務移管後、返還額は急増している。
 
歯科の施設基準の問題点
 
①かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(以下、か強診)
 
  か強診が算定できる特典点数は、どの医療機関でも提供できる技術であり、一物二価である根本的な矛盾は変わらない。
 
 難易度の高い手術とは違い、開業直後から提供できる、F局(フッ化物歯面塗布処置)・初期う蝕(エナメル質初期う蝕管理加算)、SPT(歯周病安定期治療)の算定実績を要件化して、矛盾をさらに拡大した。
 
 さらに、給付内容と整合しない人員要件や、設備の設置が求められている。例えば、エナメル質初期う蝕に対するフッ素塗布の管理は歯科衛生士でなくてもできる。また、切削を伴わないのに、口腔外バキュームを要件にしているなどである。
 
 ②歯科初診料 注1
 
 歯科医師免許を取得し開業した医療機関に、施設基準を設けるのはおかしくないだろうか。2007年に施行の第5次医療法改正により、その担保は義務化されている。 院内感染防止対策に関する研修などが、初再診料に係る届出に移行されたことに伴い、歯科外来診療環境体制加算(以下、外来環)の点数が引き下げられ、初再診料はその分引き上げられた。
 
 この仕組みを踏襲する場合、初再診料の引き上 げには、外来環の機能を一般の歯科診療所にどれだけ移転できるかに依存することになり、早晩枯渇する。
 
 今後も外来環の点数引き下げを供給源にする場合、外来環・歯初診とも施設基準のハードル・機能を引き上げ続けるという泥沼にはまり、破綻は明白である。
 
 ③届出医療にする必要性について
 
 歯科疾患管理料の加算である総合医療管理加算(以下、総医)は、今回の改定でモニタリングの評価がなくなり、かつ、適応症も限られた。また、歯科治療時医療管理料(以下、医管)は、モニタリングの評価であるが、医科の類似技術に施設基準はない。
 
 医科点数表のD220呼吸心拍監視50点は、算 定要件として「重篤な心機能障害もしくは呼吸機能障害を有する患者またはそのおそれのある患者に対して、常時監視を行っている場合に算定されるものである。この際、呼吸曲線の観察の有無に関わらず、心電曲線、心拍数の観察を行った場合は、所定点数を算定する」となっていて、施設基準は設けられない。人員基準がないため看護師も不要である。医科の呼吸心拍監視は検査に位置付けられており、前述したとおり施設基準はない。
 
 医管45点は、ハードルが高い割に点数が低く、適応症も限定されている。医管の基本矛盾は、施設基準にしている点にある。しかも、医学管理に位置付け、人員基準を、常勤の歯科衛生士に求めるという二重のミスを犯して いる。
 
 ④人員要件
 
 「歯科衛生士」の配置が要件となっている施設基準は、か強診、外来環、総医、医管、在宅療養支援歯科診療所(歯援診)である。平成28年末現在で、道内の歯科診療所数2978件、歯科衛生士就業者数5016人、歯科診療所当たりの歯科衛生士数は1・68人であるが、第二次医療圏域ごとに見た場合、(表1)に示す結果となっている。また、一診療所に複数の配置も考えられることから、全体としてみるとさらに低くなると思われる。
 
 か強診、外来環、歯援診に歯科衛生士は不可欠なのか。配置の必要性の根拠が全くない。
 
 歯科衛生士を評価するのであれば、例えば、歯科衛生実地指導料、今次改定で歯科疾患管理料の加算として新設された、小児口腔機能管理加算や口腔機能管理加算について、指導実施者を、告示・通知で「歯科医師または歯科衛生士が」とし、とくに歯科衛生士が行った場合については「加算点数」を設ける方法が考えられる。
 
 改善に向けて
 
 施設基準として届出の必要性に疑義があるものについては、精査、検討の上、届出医療から外すことを求めていく必要がある。また「歯科衛生士の配置要件」のように、地域格差によって、配置ができない現実があり、このような要件についての見直しが、次回改定に向けての喫緊の課題といえよう。
 
 
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