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活動紹介

コロナ後遺症のコストと医療課題
2026-06-20
カテゴリ:私たちの主張

 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状、いわゆるコロナ後遺症に関して、4月に公表されたOECD(経済開発協力機構)の報告書では、最大で人口の5・3%がコロナ後遺症に罹患し、多くの医療費支出とGDP損失が見られ、今後も0・6~1%程度の有病率が継続し、GDPの0・1~0・2%の損失が続くと言われている。コロナ後遺症では倦怠感や認知機能障害(ブレインフォグ)の持続により労働参加率や生産性が低下し、患者の2割が就労困難や離職を経験し、1人あたり5~10%の労働損失が発生すると推定される。患者にかかる医療費もあるが、その10倍以上の間接的経済損失が見込まれている。

 現時点でコロナ後遺症に対して正式な国家レベルのケアパスウェイを策定しているのは、オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、ルクセンブルク、オランダの6カ国のみで、日本も含め医療予算や労働分野・教育分野と社会保障分野での横断的な政策も十分には整備されていない。

 日本でも急性期病院や高齢者施設等での感染症管理としてはまだ新型コロナウイルス感染症は重要な問題とされているが、コロナ後遺症に関する医療提供体制や、医師も含めた医療従事者向けの研修や情報提供も不足しており、患者の認知・診断・治療の質が担保されているとは言いがたい状態となっている。

 2021年10月のWHOの定義で採用されたように患者の声を政策・研究・ガイドラインの策定などに反映することが重要で、我々医師にはアドボカシー活動も求められる。コロナ後遺症の統一した診断基準を整理し、治療やリハビリテーションに関して欧米の進んだ研究を採用するなどケアパスウェイの整備が重要で、検査や治療に関する保険適用の検討も求められる。

 さらには、就労支援や障害認定、教育現場や自身では自覚症状を表現できない可能性のある高齢者施設での配慮など、医療以外の分野とも連携した社会全体での包括的なサポート体制を構築していくことが重要である。


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