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活動紹介

骨太方針2025と歯科デジタル化の課題
2025-10-20
カテゴリ:私たちの主張
 
 2026年度診療報酬改定に向けた議論が進んでいる。6月には「経済財政運営と改革の基本方針2025」が骨太の方針として示され、中医協総会、専門部会、小委員会で各種議論が交わされている。議論の中心は、経済・物価動向を踏まえた対応、現場の持続可能性の確保、そしてデジタル化の推進となっている。
 歯科診療報酬改定においても「歯科治療のデジタル化」が注目されている。コンピュータ上でクラウン(被せ物)やインレー(詰め物)などをデザインし、機械で削り出すCAD/CAM冠は、歯科技工士養成学校の定員割れや歯科技工士の高い離職率といった人材難の克服にも資する重要な技術である。さらに作業の効率化や均てん化によって医療の質を担保しつつ、地域間格差の縮小にもつながる可能性を秘めている。
 一方、歯科用貴金属の価格高騰も深刻な問題である。3カ月ごとの随時改定は後追いに過ぎず、臨床現場を直撃している。現在、金パラの価格は高騰を続けており、根本的な解決には至っていない。これでは経済・物価動向を踏まえた対応としてきわめて稚拙な内容である。
 歯科用貴金属の代替として期待されるCAD/CAM冠は、小臼歯で6割を超える算定実績がある一方、大臼歯では3割に届かない。複雑な適応要件が普及を阻んでおり、金属アレルギーの有無で適用要件を区別することも臨床的合理性に欠ける。すべての大臼歯にCAD/CAM冠の適応を拡大すべきではないか。これは金パラ依存からの脱却につながり、また、物価高騰による影響を受けづらいCAD/CAM冠の適応拡大は、将来的な安定供給への道を拓くはずである。
 歯科医療は「生活の質」に直結する領域である。材料の選択、報酬体系の在り方、人材育成の方向性―これらを一体的に見直し、将来を見据えた改革を進めるべきだ。非金属材料の普及の強化こそ、次期改定における最大の課題であり、歯科界が社会に示すべき責任だと考える。




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