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活動紹介

進む医療地域偏在
2025-09-20
カテゴリ:私たちの主張
 2025年上半期の集計によると医療機関の倒産は35件と、過去最多を記録した24年の64件を上回るペースで進む。内訳は病院が9件(23年3件、24年6件)、診療所12件(23年23件、24年31件)、歯科医院14件(23年15件、24年27件)で、病院および歯科医院で過去最多に並ぶ水準で推移している。
 倒産増加の背景には収益性の悪化がある。新型コロナ5類移行後も患者数の回復が見込めない中、近年のあらゆる物品の高騰は医療機器・材料の価格、光熱費など広範囲に及び、加えて人件費の高騰も強く影響している。本会アンケートでも、医薬品・特定保険医療材料に係る消費税が経営を圧迫している実態がうかがえた。一方、収入源である診療報酬は抑制され、支出超の補填には程遠い。中小規模の医療機関では、拙速過ぎる医療DXの導入対応や承継できずに廃院に至る事例も後を絶たない。
 25年の実現を目指す国の地域医療構想は地域偏在を改善したとは言い難く、地域の医療を目指す医師・歯科医師の人材減少も現実的だ。歯科医師数は22年末に初めて減少に転じ、歯科医院数も21年以降減少が続く。医師・歯科医師の半数以上が札幌圏に集中する本道では、地域偏在が一層進んでいる。
 20年の人口10万人あたりの医師数は251・3人と全国平均に近いものの、2次医療圏では上川中部及び札幌の2圏域を除く19圏域で全国平均を下回り、内5圏域では全国値の50%未満だった。歯科医師数(84・6人)も同様に札幌及び北空知を除いた19圏域で全国平均を下回り、1圏域は全国値の50%未満にとどまった。
 22年の無医地区数は64と4年前から12減、地区人口も9170人と微減する一方、無歯科医地区は64地区(11減)に1万804人(1337人増)と地区人口は増加している。広大な本道では医師・歯科医師の地域偏在が加速しているともいえ、その改善は喫緊の課題である。
 真に医師・歯科医師数の適正化と適正配置を促進する施策と、財政措置を強く求める。
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