本文へ移動
道民にとって
医師・歯科医師にとって
より良い医療を目指して
入会パンフレットはこちらから

活動紹介

妊産婦に対する助成制度創設を 道内市町村にアンケート
2020-02-04
カテゴリ:私たちの主張
本会は、昨年9月、道内179市町村に対し「妊産婦医療費助成制度及び妊産婦健診事業に関するアンケート」を実施した。本調査は、各自治体の妊産婦医療等の状況を把握し、妊娠・出産にかかる経済的負担の軽減を国に求めることを目的に実施した。
 
はじめに
 
2018年4月の診療報酬改定で妊婦の外来診療について、妊娠の継続や胎児に配慮した適切な診療に対する評価として初・再診料の加算点数「妊婦加算」「産科・産婦人科特例加算」が新設された。
 
しかし施行後に、「なぜ妊婦に経済的負担を増やすのか」「妊婦税だ」など、批判を受けたことから、2019年1月から凍結されることとなった。乳幼児・小児科については診療報酬に各種加算があるものの、全国で普及している「子ども医療費助成制度」によって一部負担金が減額・免除され患者への経済的負担になりにくいという制度の違いがある。
 
妊産婦の負担軽減
 
周産期及び子どもの発達において、妊産婦に対する医療を切れ目なく提供できることは何よりも大切である。現在、妊産婦に対して疾患や受診科目による制限のない「妊産婦医療費助成制度」を実施している自治体は、全国で13道県156市町村(保団連調べ)のみである。
 
妊産婦への医療提供は、全国どの市町村に住んでいても経済的負担なく受けられるようにすべきであり、国による妊産婦医療費助成制度の創設を実現するためにも、自治体に対して同助成制度を実施・拡充させることが重要である。
 
調査内容と助成の現状
 
こうした中、保団連が中心となり「妊産婦医療費助成制度及び妊産婦健診事業に関するアンケート」を全国で実施した。
 
本会は、道内の179市町村に依頼し、回答を得た(一部事務局調べ)。

アンケートの内容は、「妊産婦医療費助成制度」の設置の有無のほか「妊産婦健診(歯科健診を含む)事業」の実施状況を問うものとなっている。
 
道内における「妊産婦医療費助成制度」の設置状況は、179市町村の内「ある」との回答はわずか6市町(0・5%)で、その助成内容もかなり限定的なものとなった(表1)
「妊産婦健診事業」については①妊婦健診②産婦健診③妊婦歯科健診④産婦歯科健診の各健診ごとに助成回数、助成額、精密検査への費用助成、特記事項、集団健診の有無などについて尋ねた。
 
各健診事業の実施状況
 
「妊婦健診」は、平均助成回数14回(「上限なし」4町)、超音波検査8・1回(「上限なし」5 町)、平均助成金額は、95,459円(最低51,000円。最高133,518円)。精密検査への助成については、「あり」が53市町村(29・6%)。「なし」は126市町村( 70・4%)となっている。「あり」と回答した市町村間において助成額や対象となる検査項目等で差がみられた。
 
「産婦健診」では、「あり」は96市町村(53・6%)、「なし」が77市町村(43・0%)、「今後予定」が6市町(3・4%)であった。また、「あり」と回答した市町村の内、平均助成回数は1・9回、平均助成額9,805円であった。
 
「妊婦歯科健診」では「あり」の回答は40市町村(22・3%)と少なく、平均助成回数は1・0回で平均助成額は4,199円(全額助成5市町)であった。また、集団健診を実施している自治体は、13市町村(7・3%)にとどまった。
 
「産婦歯科健診」については、さらに少なく、7市町村(3・9%)のみが制度「あり」と回答し、平均助成回数も1・0回(制限なし1市)で平均助成額も3,807円であった。また、集団健診は、4市町村(2・2%)が実施していた。
 
以上のように各自治体における実施状況は差異があり、特に「妊婦歯科健診」は3割にも満たない実施状況、「産婦歯科健診」については、ほとんどの自治体で実施されていないことが分かった(表2)。
まとめ
 
当初、厚労省は妊婦加算等を2020年度からの再開も視野に入れ、制度の見直しも模索するとしていた。しかし、22年以降に診療報酬で評価してはとの案が提出され、20年度改定での対応が見送られた。
 
いずれにせよ、妊産婦の診療は、通常よりも慎重な対応や胎児・乳児への配慮が必要であり、妊産婦が安心できる医療体制の充実が不可欠である。
 
本会は、同調査と並行して道内の自治体に対し「国による妊産婦医療費助成制度の創設等を求める」意見書採択の要請活動を行った。国は、少子化対策の一環として「妊産婦医療費助成制度」を創設し、妊産婦が安心して産み、育てやすい環境づくりを早急に進めるべきである。
TOPへ戻る