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活動紹介

診療報酬 マイナス改定で働き方改革はすすむか
2019-12-23
カテゴリ:私たちの主張
厚労省は社会保障審議会で次期改定の基本的視点として4項目を提示した。その中で「医療従事者の負担を軽減し、医師等の働き方改革の推進」を「重点課題」とした。これに対して支払側などから多くの異論が出た。財務省から本体改定率の引き下げや高齢者2割負担の見通しも出され、予断を許さない状況になっている。国民医療の推進の為に医療側からも抜本的な提案が必要だ。

厚労省が提示した基本的視点は①医療従事者の負担を軽減し、医師等の働き方改革の推進(重点課題)②患者・国民にとって身近であるとともに、安心・安全で質の高い医療を実現③医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進④効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上―の4つで、議論の序盤は①を中心に行われた。

2024年度から医師に時間外労働の上限規制が適用されることが決まっている中での重点化であるが「団塊の世代が75歳になる2025年を見据えれば、医療の効率化、適正化、それを通じた医療の持続可能性こそ、重要課題の軸にすべき」(健保連)等の疑義が繰り返し出ている。
 
診療側からは「医師の労働時間を短縮するためのタスク・シフティングを行えば、他の医療従事者に新たな負担が発生する」として診療報酬上の評価を求めている。これに対して、「急性期医療を担う勤務医の負担軽減に限定すべき。診療報酬以外に地域医療介護総合確保基金の活用も前提にすべき」「医師の働き方、偏在対策、地域医療構想を三位一体改革にすべき」との主張もある。
 
さらに学識経験者から「診療報酬で医師等の働き方改革を推進するのは政策誘導の手段としてなのか、働き方改革を進めるコスト補填なのか」との疑問に、厚労省は「改革に必要なコスト」と答えている。 診療報酬で医療と医療提供体制を支えてきた経過があるものの、地域医療構想や公立・公的病院統廃合を進める等の急激な医療の転換期に従来通りの方針で臨む姿勢は、制度疲労の疑念と厚労官僚の理解力、想像力への危うさを感じさせる。
 
政府は11月13日、次期改定で全体の改定率をマイナスにする方向で検討に入るとした。「薬価部分」を引き下げ、技術料、人件費に当たる「本体部分」はプラスを維持するとの見方がある一方、財務官僚が「日医が定額負担実現を受け入れなければ、プラス改定にはできない」と話すなど、不透明な状況にある。
 
2018年度の「医療経済実態調査」が公表された。一般病院全体では、1施設当たりの利益率はマイナス2・7%で、昨年並みに赤字が続いた。病院以外では、一般診療所が12・9%、歯科診療所20・5%、薬局5・5%と黒字を維持した。病院の赤字の一因は人件費の増加とみられ、ICT活用も含め「重点課題」実現には相当ハードルが高い。
 
さらに政府は30日、全世代型社会保障の一環として、市販品類似薬の保険外しの検討を指示した。これまで何度も感冒、花粉症治療薬、漢方、湿布、保湿剤が俎上に上がってきたが、今回はフランス、スウェーデン等の例を出して、代替可能な薬剤費が2126億円になる等と具体的である。
 
これらマイナス圧力に対しては、適切に対応しなければならない。
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