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活動紹介

病院再編 「撤回を」と不満噴出 抗議声明文を送付
2019-11-20
カテゴリ:私たちの主張,活動紹介
分析のイメージ(厚労省資料を一部改変)
 厚労省は9月26日に開催した地域医療構想ワーキンググループ(WG)で、公立・公的医療機関等の診療実績データの分析結果を提示し、再編・統合が必要と考えられる全国424病院を実名で公表した。唐突かつ一方的な実名公表であり、医療関係者だけでなく全国の知事や市町村から不満と不安の声が上がっている。
 
がん、心疾患、救急等から解析
 
 厚労省は公立・公的医療機関のレセプトデータをもとに6領域(がん、心疾患、脳卒中、救急、小児、周産期)について分析を行い、すべての領域において代替する病院が近くにある病院(類似かつ近接)や、6領域に災害、へき地、研修・派遣機能の3領域を加えた9領域ですべての実績がないと判断された病院は再編・統合の対象になりうるとした。
 
 厚労省は再編案として「周産期医療を他医療機関に移管」「夜間救急受け入れの中止」「一部の病床を減少(ダウンサイジング)」「(高度)急性期機能から慢性期への転換」などを挙げ、各区域で開催される地域医療構想調整がん、心疾患、救急等から解析会議で検討するよう要請した。

過去の地域医療構想調整会議の不調
 
 各区域の地域医療構想調整会議では、地域の医療提供体制における直接の当事者(首長や病院長)が会議の構成員に含まれている場合も多く、地域医療構想に沿った役割分担について、意見調整が困難となっていることが指摘されてきた。WGは再編を推し進めるために診療実績の一定指標を独自に設定し、各構想区域における医療提供体制の現状について分析結果を提示した。

 しかし、分析結果・病院の実名公表は地方の反発をより大きくすることとなり、厚労省は急遽意見交換会を設け、10月17日から全国で開催している。先に行われた関東甲信越ブロック会議では「地方には人が住まなくて良いと言われているようだ」などと同省を批判する声が相次いだ。北海道でも23日に厚労省との意見交換会が行われ、「精神科領域の検討も」「自主申告でのデータ解析だが出ていない病院もある」などの分析の欠陥を指摘する声や、「医師の都市部集中を招くのではないか」などの疑念の声も出た。厚労省側から「今回の検討では入院機能が中心で外来機能はあまり反映されていない。100万人以上の圏域は公表されてないため北海道の対象が多くなった」と説明があった。

 安倍首相は10月28日の経済財政諮問会議で「地域住民の医療のニーズを的確に反映し、持続可能で安心できる地域医療を構築していくためには、地域医療構想を実現していくことが不可欠」と述べ、厚労省の地域医療構想を後押しする考えを示したが、再編・統合の具体的な話し合いは進んでいない。
 
北海道の地域性にあてはまらない
 
 北海道の医療を考える上で、広大な地域性、冬季のアクセスの困難さといった患者の利便性を考慮すると、全国一律の医療供給体制を北海道にあてはめることは無理があると言わざるを得ない。北海道の公表病院を見ても、一定レベルの救急患者を受け入れているにもかかわらず、がん、心筋梗塞、小児医療などがないとして再編・統合病院に多数該当している。特に、宗谷医療圏は礼文島や利尻島などの離島があるにもかかわらず、5病院中4つの病院が再編・統合病院として公表された。宗谷医療圏は全国平均の約半数の医師で成り立っている医療圏でもあり、どう再編せよというのか。

 さらに類似かつ近接している地域の定義として、「自動車での移動時間が20分以内」とされているが、北海道や東北の冬道のアクセスが九州や四国などと同等であるとは到底考えられない。北海道には他にも医療過疎とされる地域が多数存在し、今回の再編・統合は地域の不安を増すだけのものである。国にはしっかりとした説明責任が求められる。
 
再編統合対象病院の公表は撤回を
 
 北海道は、公表された病院424のうち54病院が再編・統合の対象となっており全国で最も多い。北海道の公立・公的病院の中には自治体唯一の入院施設となっているところも多く、患者数や採算を度外視しても、国民の生命を守るために必要な医療を提供する責務がある。病院を切り捨てるようなこの提言は地域住民から受診の機会を奪うとともに、地域で懸命に医療を支えている医療者をないがしろにする方針であり、断じて容認できない。

 本会は10月29日の理事会で声明「『公立・公的病院の再編・統合』政策に強く抗議する」を決議し、声明文を関係機関等に送付した(http://www.h-hokenikai.com/publics/index/1/detail=1/b_id=301/r_id=786#block301-786
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