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活動紹介

「全世代型」というまやかし政策
2019-03-20
カテゴリ:私たちの主張
 安倍首相は昨年10月、臨時国会の所信表明演説で政府が従来から提示してきた「全世代型社会保障改革」について「子どもから現役世代、お年寄りまで、すべての世代が安心できる社会保障制度へと、今後3年間かけて改革を進める」と語った。これを受け12月、経済財政諮問会議により「新経済・財政再生計画/改革工程表2018」が取りまとめられ、来年度から具体的な政策が始まる。しかし社会保障制度の本来の役割は、高齢、病気、失業などによって生活の維持が困難となる場合に、国民生活を支えるセーフティネットである。その機能を考えると「全世代型」という言葉は、意味が明確でなく、本質的な問題を覆い隠している。

 「全世代型」の看板政策である幼児教育・保育の「無償化」は、あくまで消費税増税とセットで実施される。ただし年齢や収入により補助上限額が設定され、増税により家計の負担はむしろ増加する。また高齢者には就労の拡大により支え手側に回り「生涯現役」を求める。そして年金の受給開始年齢を遅らせ増額できる仕組みを検討する。さらに20年度からは医療・介護の負担増が計画されており、“死ぬまで働け、病気は自己責任”と強要されようとしている。 また注目点の一つに、予防医療、健康寿命延伸の焦点化がある。政府の方針では「地域に根ざしたヘルスケア産業の創出」により医療・介護費を削減できるとしている。だが多くの医療経済学の研究から、予防医療による医療費などの抑制効果には限界があり、また「ヘルスケア産業」の市場規模の増加はほとんど期待できないことが明らかになっている。日本福祉大学名誉教授の二木立氏の調査によると、唐突な予防医療への焦点化は昨年4月から経産省主導で推進されている。そして予防医療の推進によるヘルスケア産業の育成・産業化が可能とする同省の推計は、省益を目論んだ「希望的観測」「主観的願望」であると断言する。
 
 まやかしではない、全世代が納得できる真の社会保障の実現を求める。
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