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活動紹介

10月改定 本体0.41%増 損税問題の抜本的解決は据え置き
2019-02-05
カテゴリ:私たちの主張
 根本厚労相と麻生財務相は昨年12月17日、2019年度予算編成を巡る大臣折衝を行い、10月消費税率引き上げに伴う診療報酬改定は、本体0・41%(国費ベースで約200億円)の引き上げで合意した。内訳は、医科0・48%増(同約170億円)、歯科0・57%増(同約20億円)、調剤0・12%増(同約10億円)。薬価と医療材料価格は、市場実勢価格を反映した引き下げと、消費増税に伴う引き上げを10月同時に行う予定。
 
 薬価は、市場実勢価格を基にした引き下げ0・93%(同約490億円)、消費増税対応の引き上げ0・42%(同約200億円)で、0・51%の引き下げ(同約290億円)となる。
 医療材料価格は引き下げ0・02%(同約10億円減)、引き上げ0・06%(同約30億円)で、差し引き0・03%の引き上げ(同約20億円)となる。
 
補填のばらつきは是正?
 
 消費増税対応については昨年12月14日、自民党・公明党が2019年度与党税制改正大綱を公表。医療界最大の焦点であった控除対象外消費税問題については、10月に予定する消費増税時に診療報酬の配点方法を精緻化すると共に、特別償却制度の拡充・見直しで対応する方針を打ち出し「医療機関種別の補填のばらつきは是正」との見解を表明した。「医療の消費税問題は税制による対応を」と要望されていた点に関して宮沢自民税調会長は会見で、社会保険診療が非課税であることを指摘し「課税転換ができないとなると、税による対応は不可能」と理解を求めた。また、医療機関の仕入れ税額相当分については「補填の精緻化により医療機関種別の差はほぼなくなる」との見解を示した。

 大綱では「実際の補填状況の継続的調査により、必要に応じて配点方法を見直すことが望まれる」とも記載。中医協では、基本診療料で対応する方針を示しており、補填点数などを今後議論していくことになる。
 
医療に係る消費税問題は解決?
 
 大綱の公表を受け日本医師会は、診療報酬での補填と特別償却制度の拡充・見直しが行われることから「長年の懸案であった医療に係る消費税問題については今回で解決と考える」との見解を発表した。中医協のシミュレーションによると補填率はいずれもほぼ100%であり、今後の必要に応じた見直しにより控除対象外消費税の問題は対応可能と見ている。ただし、三師会らが要望していた「補填の過不足を申告、還付」という新たな仕組みは、大綱には盛り込まれていない。
 
異論が噴出
 
 三師会と四病院団体協議会は、昨年8月に公表した控除対象外消費税問題解消のための提言の中で①現状の診療報酬による補填を維持しつつ②個別の医療機関等ごとに、診療報酬本体の消費税補填相当額と、実際の控除対象外仕入れ税額負担との過不足を申告して対応という仕組みを求めていた。しかし、与党税制改正大綱は診療報酬での補填は打ち出したものの、②は盛り込まれなかった。

 提言内容が盛り込まれなかった点に関して日本病院会、日本医療法人協会は「個別医療機関のばらつきまで言及されなかった事実」を「極めて遺憾」とした。また、全日本病院協会は他病院団体と同様に「可能な限り速やかな補填検証」を求め、国立大学附属病院長会議は「配点方法の精緻化による対応では、さまざまな診療活動をする各医療機関のばらつき解消は疑問」との強い危機感を示した。
 
「損税問題」抜本的解決は
 
 損税問題(控除対象外消費税問題)の抜本的解決に向け、医療界全体が今回の消費増税を契機に、さまざまな模索・提案をしてきた。その結果得られたのは、2014年改定の反省を踏まえた「精緻化」と、特別償却制度の拡充・見直しといった一定の配慮だけである。「精緻化」だけでは「損税問題」の抜本的解決にはつながらない。ましてや、患者の一部負担金の増を強いるという問題は残る。今後も本会、保団連が求める抜本的解決策であるゼロ税率の実現に向け、活動を続けていく。
 
 
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