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オンライン義務化が招く医療大崩壊
舛添厚労相の肝いりで「安心と希望の医療確保ビジョン」が発表された。
医師不足の元凶とも言われた医学部定員に関する一九九七年の閣議決定を見直し、医療従事者と患者・家族側の協働推進など、医療現場からの意見も色濃く反映されているように見える。
しかし、これで「安心と希望の医療確保」ができるかというと、極めて不十分である。現状の低診療報酬政策の下、多くの医療機関の存続自体が危機に瀕しているにも関わらず、同ビジョンでは肝心の医療提供体制の分析と方向性が全く示されていない。つまり、医療崩壊とは連続する医療制度改悪による医療提供体制の崩壊そのものであるという認識がないので、社会保障費二二〇〇億円削減方針に目をつぶり、中医協での診療報酬改定にも何ら関与しようとせず、同ビジョンの実効性に限りない疑問が残る。
さらに、平成二十三年度から始まるレセプトオンライン義務化がこれに拍車をかける。
本会の調査によると(本紙二月二十日号)、この義務化に対応困難として、医科の二一%、特に七十歳以上では四三%で「開業医を辞める」と回答している。昨年、京都保険医協会で実施された調査では、医科六四一件中、二〇三件(三二%)が廃院する意向だ。最近、日本医師会が調査した四万二千百三十の病院・診療所のうち三六一一施設(八・六%)が廃院を考えている。世界一の健康達成度(WHO)に貢献した多くの先達が揃って静かに医療界から退場しようとしているのだ。
医療崩壊の大雪崩が目前である。「安心と希望の医療確保」の為には、安直なオンライン義務化を即刻中止すべきである。
十回に及ぶ同ビジョン会議の中でこの問題がクローズアップされなかった事は、医療費削減を企む厚生官僚にとって最大のヒットであり、国民・医療機関にとっては最大の不幸である。
国民医療を守るために、本会は改めてレセプトオンライン請求義務化の断固反対を表明する。
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