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北海道保険医新聞より
千里眼
   一九八三年、厚生省保険局長の吉村仁が医療費亡国論を提案し、時の政府、財界は歓迎した。やがて医療界は際限のない医療費削減政策に苦しめられ四半世紀が過ぎた。更に九七年には医師が増えると医療費も増えるとの論理で医学部定員の削減を進めた▼今日本の医療は瀕死の状態である。医療費の議論は市場経済とは別のところで論ずべきであるのに、経済諮問会議の言いなりという大きな間違いを犯した▼衆参ねじれ国会になり、二月一二日超党派の議員連盟が発足し、六月一七日舛添大臣が医師は偏在だけでなく実数の不足を認め、急遽医学部定員五百名増を打ち出した。急に学生増を行っても、医師として診療ができるのは十年後である。更に大学は、急に増えた学生を教育するスタッフ、設備が十分だろうか? 政府の無策のツケがここに極まった。「医療確保ビジョン報告書」も白々しく見える▼近年女性医師が急増したが労働環境の整備を行わず、今になって方策を考え始めた。家庭に引きこもった女性医師たちも本当は診療をしたいのである。政府のお手並みを拝見したい。(A・A)

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