PICUP

北海道保険医新聞より
時論
 

医療改革亡国論 ―続く医療崩壊―

 政府・与党は後期高齢者医療制度に対する世論の反発に対して保険料負担の見直しで姑息的に制度の維持を図ろうとしている。また地域医療崩壊の対応策に医学部の定員増を検討しているが医師として活躍するには十年以上かかる事を知った上での泥縄対策である。

 一方、医療崩壊の筋書きは着々と進んでいる。目に見えるところでは十月に「脳卒中後遺症及び認知症」患者は後期高齢者特定入院料および障害者施設等入院基本料の「重度の肢体不自由者」「脊髄損傷等の重度障害者」から除外され、行き場のない医療難民問題が浮上するであろう。

 また同じく十月に政府管掌保険は「全国健康保険協会」となり、都道府県毎に支部が置かれる。「保険者機能の強化を図り、地域の被保険者等の意見を反映した効果的な体制づくりを進める」としているが詳細は全く不明である。今、知りうるのは全国一律の保険料率が地域の実情に合わせて支部毎で異なる設定が可能になるということである。協会の業務イメージは「健康保険業務」のレセプトデーターと「保健事業」の健康管理情報(特定健康診査情報等)が「統計業務システム」としてコンピューター管理化され、おそらく「医療費適正化計画」に沿って二〇一四年に施行が検討されている地域毎の診療報酬の基礎となるという事ぐらいである。

 さらに崩壊の筋書は「IT戦略本部」報告書に示されている。レセプトオンライン義務化に向け「電子点数表」の整備を進め「算定ルールの解釈も電子的に行える様に整備する」とされ「コンピューターによるレセプト審査を目指す」としている。「審査委員の意見」や「医師の裁量権」は無視され、「国民の医療はコンピューターが管理する時代」になる恐れがある。

 「主病は一つ」と言った医学部出身の厚労省課長がいる。医療は社会科学であり社会の変化に対応せざるを得ない。しかし自然科学を追及する医師とそれを信ずる国民を不幸にする改革は必要ない。


インデックスページへ

BACK TO TOP PAGE


プロフィール

入会のご案内

活動の紹介

北海道保険医新聞より

メールニュース

市民の健康相談コーナー

書籍紹介

関連サイトリンク



会員のページ



※パスワードをお知りになりたい方は、事務局までお問合せください。(会員のみ)

お問い合わせ御意見等は下記の
メールアドレスへどうぞ。
E-mail:
hokkai-h@doc-net.or.jp