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北海道保険医新聞より
解説
 

外来管理加算の算定割合 約15%減少に
時間要件導入への反対は「9割超」

 本会研究部は4月からの診療報酬改定に伴い導入された、外来管理加算の時間要件に関する緊急アンケートを実施し結果をまとめた。集計では時間要件導入により、外来診療に変化があったとする回答は7割以上に及び、その多くが収入減を訴えるものであった。外来管理加算の算定割合を3月と4月で比較すると、全体で約15%の減少となっていた。

 外来管理加算の「概ね5分」の時間要件は、病院勤務医の負担軽減に向けた財源対策として4月改定より導入されたが、診療時間と医療の質を同一視するものとして現場の反発が強く、収入面でも医院経営への影響が懸念されている。研究部では、本会会員に対し緊急アンケートを実施し、122件の回答が得られた。内訳は無床診療所が64%、有床診療所が22%、病院14%となっている。以下に主な調査結果と特徴点を解説する。

■外来管理加算の『概ね5分』の時間要件により外来診療に変化がありましたか

 「変化があった」とする回答が75.4%と7割を超えた(図1)。具体的内容として最も多かったのが、「収入が減った」というもので、4月を機に算定を控えるケースが相当数に上っているようだ(図2)。「実際の診療時間が長くなり、カルテ記載も煩雑になった」「投薬のみの患者に診察を受けるよう促した」との回答もそれぞれ多く、診療時間の負担だけではなく、事務的な業務も増しており、本来の診療に集中できないといった意見も強い。また、長期に安定している患者にも「概ね5分」の診察が必要とされ、効率の良い診療体制がとれなくなっており、待ち時間が長くなるなど、患者への弊害を指摘する声もある。

■外来管理加算の『概ね5分』の時間要件により患者の受診行動に変化がありましたか

 「変化があった」との回答は約3割で、患者の受診行動には大きな影響な無かったようだ(図3)。ただ、「変化があった」の具体的な内容として、「一部の患者がクレーム(診療時間、医療費等)をつける」という回答が最も多く、実際に医療現場でのトラブルが起こっていることが明らかになった。また、「投薬のみを求める患者が増えた」とする回答も多く、算定の仕組みを患者が逆手にとるケースも見られており、患者との信頼関係を揺るがす事態も心配される。

■2008年3月診療分および四月診療分の再診料、外来管理加算の算定回数をお教え下さい

 診療所の再診料算定回数に対する外来管理加算の算定回数の比率は、3月診療分では68.0%であったものが、4月には58.3%と落ち込んでおり、比較すると改定前の85.7%となった。約15%減少している。病院でも対3月比で87.6%とほぼ同様の結果が得られた(表1)。上述の設問でも「収入減」を訴える声が多かったが、実際に数字として表れており、経営的には深刻な問題である。保団連が集約した全国調査の結果では、同80.6%と約2割の減少となっており、さらに影響が大きいことが分かっている。今後、何らかの経営対策が必要とされる医療機関も少なからず出てきそうだ。

表1.外来管理加算の算定割合の変化

類型
総数
外管の算定割合
比較
3月
4月
4月割合/3月割合
診療所
56
68.0%
58.3%
85.7%
(うち内科)
32
87.5%
75.7%
86.5%
病院
12
60.0%
52.5%
87.6%

 

■外来管理加算の『概ね五分』の時間要件に対してどのようにお考えですか

 「反対」が91%と圧倒的多数であった(図4)。医療現場からは全く受け入れられていない状況が如実に示された。反対理由や意見からは「5分」の時間設定について、「意味が不明」「根拠が明確でない」など疑問が寄せられ、また、時間で評価するなら「十分、十五分かかったときの評価もすべき」という意見も見られた。さらに、「診療内容に細かく介入する厚労省の考え方を止めてほしい」といった医療政策に対する不満や批判の声も多かった。
 前回改定と同様に、初・再診料に係る改変は医業収入に直接反映される。特に今回は内科系の診療所、中小病院での減収傾向が大きく、緊急改善が急務である。本会ではこの調査結果をもとに、関係機関への要請など廃止・撤廃にむけた運動に積極的に取り組んでいく方針である。

●外来管理加算の時間要件導入に賛成又は反対の理由及び意見

・時間が気になるため、診察に集中できない。
・医師の裁量権を蔑ろにする暴挙。断じて許しがたい。
・概ね5分と設定する根拠が薄弱である。カルテ記載がより煩雑になるだけ。
・時間要件はナンセンス。12人×8時間=96人/1日で診療を止めます!
・診察の質は時間ではなく「中味」が重要であり、今後「時間=質」の評価の進展が心配。
・必要な時は時間をかけ、「1分」でも充分な効果を上げ臨床の場で努力してきたことを無視している。
・時間をかけず、患者の満足、信頼を得るための、色々な工夫をすべて否定されている。
・投薬のみの件数が多くなり、結果として粗療となり病態の悪化をまねく。
・ある病院ではストップウォッチで時間を計っているらしい。それが実態であり、厚労省が望む姿なのでしょうか。
・医療費削減のために点数が下がるだけでなく、手間が増える。5分を測ったり、カルテに記載する時間があるなら、その分患者さんの話を聞いてあげたい。
・クリニック診療はチームワークで成り立っており、予診、問診、指導の補足や説明など他のスタッフに負うところは多く、そのチームプレーを無視した内容である。投薬のみの方が早く安くつくのなら、安易にそちらに流れる患者さんも増える。


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