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北海道保険医新聞より
一面記事

医療改悪反対に力を結集
平成20年度定時総会

 本会は五月三十一日、平成二十年度定時総会を開催し、委任状出席を含む一四〇四名が出席した。議案審議では、十九年度の活動と決算報告、二十年度の活動方針、予算案が議決決定され、総会決議を満場一致で採択した。
総会終了後、北海道大学大学院地球環境科学研究科 准教授の山中康裕氏による「地球温暖化の影響と、それを防ぐ将来の私たちの生活」と題した記念講演があった(二面に掲載)。

 挨拶に立った小谷俊一会長は「四月から国民の医療に対する関心はかなり高まってきた。特に後期高齢者医療制度は国民的反発にさらされている。制度の中止・撤回を求める声は募る一方である。また与党内からも戸惑いの声や混乱が起きている。この機会に、かつては世界一といわれた国民皆保険制度を取り戻すため、北海道保険医会はこれまで以上に医療制度改悪反対を訴える運動を進めていかなければならない。本日は次年度の活動方針、予算案を提案させていただくが活発な議論をお願いしたい」と述べた。

活 動 総 括
 笠井康弘議長、石丸俊一副議長の総会成立宣言の後、小笠原俊一副会長が情勢および活動報告を行い「政府が断行する医療費抑制策は止まることを知らず、医療崩壊は現実のものになってきた。診療報酬改定では後期高齢者診療料の新設や外来管理加算に時間要件が導入されるなど、今後医療機関に与える影響は計り知れない」と説明した。
各部の報告では、政策部は後期高齢者医療制度に対して北海道後期高齢者医療広域連合に要望書の提出や懇談を行い、高齢者の負担軽減と制度の見直しを求めた。研究部は診療報酬改定にあたり点数検討会を開催した。広報部は保険医新聞の充実に努めニュースレター等を配信した。歯科部は新点数検討会を全道六支部で開催し約八百名の参加があったことなどを述べた。
その後、物故された二十九名の会員に黙祷を捧げた。
 次に鈴木正典財政部長から十九年度収支決算報告と有賀監事より監査報告があり、十九年度の活動・決算報告は承認された。

次年度に向けて
 小谷会長より「道民の健康と医療を守り、我々医療従事者の生活を守るため、本会は組織をあげて医療改悪阻止の運動を強化していく」と来年度の活動方針が提案された。活動の重点として@保険診療改善の運動A診療経営と生活の安定を図る運動B組織拡大と共済活動の充実C医師会、歯科医師会との協調、医療団体、その他各団体との連携D会務執行体制の強化と健全財政の維持に努める、を挙げた。
続いて末岡裕文総務部長から次年度予算案の提案があり議案はすべて可決決定された。
 会員からは「事務所建設積立金」「歯科の救急医療に関する講習会」について意見・要望があり、小谷会長、鈴木財政部長、野川歯科部長が答弁を行なった。
 最後に飯岡智起草委員長から決議文の提案があり、満場一致で採択した。

 

総会決議

 医療崩壊は止まるところをしらない。政府は財政健全化を理由に社会保障費を毎年機械的に二二〇〇億円削減し、弱者切捨ての医療制度改悪を断行している。
四月から実施された後期高齢者医療制度では、年金問題が未解決にもかかわらず、七五歳以上の高齢者から年金天引きによる保険料の強制徴収や資格証明書の発行など、高齢者の健康と生命を大きく脅かすことになった。

 療養病床の大幅削減や生活習慣病の発症率改善などを義務付ける医療費適正化計画では、国の責任で本来行うべき医療を地方自治体に転嫁し、本道において地域間の健康・医療格差を招いている。さらに医療費抑制の手段として、目標が達成できなかった都道府県にペナルティを課すことは断じて容認できない。

 今次診療報酬改定では四期連続のマイナス改定となった。その内容は財政中立に終始し、勤務医の負担軽減を口実に診療所や中小病院の財源を大病院に移転したに過ぎず、医療機関は更なる痛みを押し付けられた。

 今、国民の圧倒的多数は、社会保障の安定と充実を望んでいる。政府は現在強行している低医療費政策を直ちに中止し、公的医療費の総枠拡大と患者負担を軽減する政策に転換すべきである。

 以上より、すべての国民が安心して良質な医療を等しく受けられる国民皆保険制度の堅持と充実こそが、我々北海道保険医会の責務であり、以下の如く決議する。


一、 公的保険医療の縮小と患者負担増、国の責任を地方自治体に転嫁する医療制度改悪に断固反対する。

一、 後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める。

一、 良質で安全な医療を提供するため、診療報酬の引き上げを求める。

一、 医療保険制度の崩壊に繋がる混合診療の解禁や保険免責制度の導入を断固阻止する。

一、 利益を最優先とする株式会社の医業経営参入を断固阻止する。


一、 介護保険制度の大改悪に断固反対し、介護報酬の引き上げを求める。

一、 医師・歯科医師の裁量権と医療現場の実態を無視した審査、指導・監査体制に断固反対する。

一、 消費税の増税に反対し、医療へのゼロ税率の導入を強く求める。

平成二十年五月三十一日 北海道保険医会 定時総会


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