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後期高齢者医療制度が実施されて二ヵ月。徴収トラブルの続出や保険料の年金からの天引きに対する反発等、問題が表面化し制度自体が大きく揺れている▼現役世代の負担を軽減するために、老人医療費を抑制し医療費を適正化するとの大義で世代間を分断。七五歳以上の高齢者を家族からも社会からも切り離し、若年者と同じ医療を提供しない専用別建ての医療制度枠で一括。患者からの医療選択の権利を奪い、限定的医療しか受けられないシステムである。まさに現代版「姥捨て山」ともいえよう▼もとより高齢者になれば、若年者よりは生産性が低くなり消費量も少なくなってくる。心身の衰えにより病気や介護で金が多くかかるようにもなってくるは当然のことであろう。だからこそ人類は、長い歴史の中での多くの経験から、高齢者や障害者をも含め人々が人間としての尊厳を持って生を全うするために、社会全体で支える福祉の理念を確立し社会保障制度も整備してきたのではなかったのか。経済効率や年齢で人をおとしめることは、生死よりも大事な人間の尊厳の問題なのだ。(孝)
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