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北海道保険医新聞より
時論
 

根本理念の見直しを

 後期高齢者医療制度の保険料の天引きが始まって以降、多くの人から疑問と不満が厚労省や自治体に殺到している。制度の内容が明らかになるに従い、高齢者の怒りが全国で高まってきた。ある全国紙の世論調査では、制度を評価しないとの回答が八割近くに上り、若い世代でも評価しないとの結果が出ている。制度そのものが国民の合意を得られず、マスコミも制度批判へと論調が変化してきた。

 本会が、札幌大通公園で行った街頭宣伝行動でも、街行く多くの市民が後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めて署名をした。高齢者からは「今まで入っていた保険から追い出され、保険料が天引きされる。こんなひどい制度はない」、「あなたは人生の最後のところにいますよといわれているようだ」「年金暮らしで収入が一定なのに取られるものがどんどん増えていく」など、将来の不安や怒りの声が聞かれた。

 福田内閣発足後初の国政選挙となった衆院山口二区補選では、後期高齢者医療制度への高齢者の強い不満が示された。補選敗北後、首相は「国民の目線でしっかり対応して欲しい」と制度の総点検を指示した。福田首相と公明党の太田代表は与党が検討中の低所得者層の保険料軽減策を実現させる方向で一致するなど、運用改善に向けた議論が活発化している。さらに、同じ与党内でも七十五歳以上の自民党OBや重鎮からは制度根幹への批判、凍結・廃止論も相次いできた。

 少子・高齢社会の中で高齢者医療を国民全体で支えていくことは社会共通の理念である。しかし、医療の現場を知らない官僚が机上の論理で作った後期高齢者医療制度は、七十五歳以上の高齢者を切り離して別枠でくくり、医療を制限し負担を強いるもので、高齢者の健康と命を差別することに他ならない。「庭の離れに高齢者を追いやり、厄介者扱いをして家族の絆を崩壊させる」との怒りの世論が噴出するなか、保険料軽減策など小手先の対応でよいはずがない。制度の根本理念の見直しこそが必要である。


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