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北海道保険医新聞より 
会員投稿
 

ようこそ、外国人妊婦さん
札幌支部・勤医協札幌病院 長島 香

 当院の産科は助産制度利用ができるため毎年、北大留学生やパートナーが訪れます。ほとんどの方が英語でコミュニケーションをとるので私達はちょっとストレスを感じながらも対応しています。見方を変えると札幌に居ながら文化の違う家族の在りかたをみることができる機会ともいえます。特にイスラム圏の妊婦さん達は独特です。

 診察やお産は原則女性医師を希望、ただし緊急時のマンパワー(まさに男ですね)を要するときや帝王切開は男性もいいよとのこと。驚いたのは検診や入院時のいかなるときも夫が付き添ってくることです。陣痛がおきてから数日経ても産まれないときもありますがヘトヘトになりながら一緒にいます。「そろそろ大学に顔出さなくて大丈夫?」とこちらが心配するほどです。

 でもずっといるためか「妻がとても痛がっているから何とかして欲しい、お産は順調なのか」と何度も聞かれます。外国だからリラックスできないのかもしれないけれど何らかの和痛処置を要する率が明らかに高いのです。兎も角、日本妊婦さんの数倍パワーを注ぐ必要があります。産後もイスラムのパパ達は子どもたちの面倒をよくみます。先日、退院したばかりの新生児を連れて「この子、今日は寝てばかりいるけど大丈夫か?」と心配してパパが来院。大学院の卒業論文を書きながら赤ちゃんの健康状態も気遣う姿勢に感動しました。

 産後の一ヶ月検診も一緒に来院し避妊リングの挿入日を予約、彼らはコンドームを通常使用しないそうです。リングをいれると「今日からいいの?」と聞かれます。日本では出産後に家事・育児を妻まかせにしている夫との間が冷え込み、セックスレスになることがあるといわれますがイスラムでは無縁でしょうか。でも私はこんなに夫が一緒にいるのは如何なものかと思ってしまいます。正にこれが文化の違いなのでしょう。

 

開院雑感 〜会員および隊員の皆様へ〜
札幌支部 風の杜歯科 飯沼英人

 本年四月一日に約七年の民間施設勤務および約十年間の自衛隊勤務を経て中央区にて開院いたしました。受け入れて下さった保険医会の皆様には感謝申し上げます。また、この場をお借りして、隊員の方々からいただいたご厚情に御礼申し上げます。

 平成十年名寄駐屯地に赴任。初めての医官配属ということで同僚と歯科室設計やあいさつ回り等、経験させていただきました。O上司は民間会社から自衛官に転職された方でした。酒が強く飲むほど醒めてくる方で、日々明け方五時までお付き合いすると私の意識は何度も遠くに飛んで行ったものです。その後自衛隊初めての衛生部隊に配属となり、当時は人員が不足していたことから穴掘り等現場の隊員に混じって汗をかいたことは今ではよい思い出です。その後職域病院を経て、総監部が所在する駐屯地に配属となりました。三人の上司に仕えましたが、どの方も常に明るく前向きで、日頃の言動や行動から、指揮官としての覚悟と責任の重さを教えていただきました。

 アメリカの同時多発テロ以来、十年が一年に感じるほど急激な変化が自衛隊にもたらされました。また、陸上自衛隊は、「人を基本とし、人を大切にし、人を育てる組織」であると教えられましたが、他の組織同様現場の隊員は体制改革、業務改革という荒波を受け、人をみる余裕は少なくなっていると感じたこともありました。しかし現場の隊員は愚痴ひとつこぼさず潔く乗り越えています。

 民間から自衛隊員として任官したことで最も感謝していることは、人生と文化や思想または生活習慣の違いがあったとしても、お互いの違いを認め合って明るく楽しく生きていくことができることを学ばせていただいたことです。

 経営上まことに厳しい時期に開院しましたが、パブリック・サービスであるという使命感を忘れずにいたいと考えております。


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