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北海道保険医新聞より
時論
 

特定健診・特定保健指導 義務化の問題点

 四月から始まったメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策である特定健康診査と特定保健指導(特定健診等)という制度については多くの問題点が挙げられている。まず、メタボリックシンドロームの基準が不明確である。女性よりも男性に厳しい腹囲の基準は世界的に例がなく、骨格や身長を考慮していない点にも問題がある。これに対し厚生労働省は、男女それぞれ数百人についてのデータを根拠としたと言う。明らかにサンプル不足であり、しかもMRIやCTも使わない。他の基準となる血糖値や血圧などの数値も以前と比べて厳格化している。基準を厳しくすると患者数がいたずらに増加することになる。医療費の抑制が目的と言いながら、メタボの基準の決め方が不透明であるのは、病気でない人まで病人にしてしまって対象者を増やそうとしている疑いがある。これでは国民から特定健診等は医療機関や製薬会社の新たな利権を獲得するための制度ではないかと勘ぐられる。約五千六百万人に対して特定健診等が実施されると、健保組合などが支払う健診費用は最大二千八百億円に達するともいわれる。メタボリックシンドローム対策を大義名分に、営利目的の関連企業が新たな市場拡大を目論む姿が透けて見えてくる。

 特定健診等の費用は、医療保険と自己負担である。そしてその自己負担の額は、各保険者の判断で定めることになるため、保険者の財政状況が受診者の自己負担額に反映し、健診の受診率にも大きく影響を及ぼすことになる。特定健診の実績には後期高齢者医療制度へ拠出する支援金の負担というインセンティブ(飴と鞭)が課せられているためますます各保険財政に格差が持ち込まれることになる。今後私たちは不明確な基準で自分の健康状態を判定され、保健指導を受けさせられるはめになる。しかも自己負担を払った上、健康保険料の更なる値上げも予想される。現在は他の問題の陰に隠れた格好だが、真実を訴えるとともに、国民を巻き込んだ議論が必要である。

 

 



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