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うちの待合室
美流渡歯科診療所 高田 知明
築15年、広さは6畳ちょいの長方形。
玄関を入って長方形の一番奥がトイレのドア。車椅子のまま入れるようにと間口が広くなっている。トイレの入り口横に待合室にせり出す形で受付があり、玄関から待合室すべてが見渡せるようになっている。長いすが2つ。片方のいすの背面には大きな出窓。
人口600ちょっと(最初は1500人位いた)の小さな街の診療所である。設計した時は、この待合室に何人も患者さんが待つことを予想できず、診察室ばかりを大きくしてしまった。
ところが、まれに患者さんが座るところがないという状態もある。そんな狭い待合室で毎日のように楽しいほのぼのとした光景がある。
こんな小さな街なので患者さん同士顔見知りが多い。その挨拶ときたら"久しぶり、元気かい? こんなところでどうしたのさ"(こんなところとは失礼である)"歯医者なんだから歯診てもらいに来てるべさ"待合室にどっと笑い声。確かに!カゼをひいたからと歯医者に来る人はいないだろう。そこから話に花が咲いて、まずはお互いの近況報告。街の噂話。あまり話に花が咲いているので、スタッフも診察室へ誘導するタイミングをつかめないときもある。私が"○○さんなかへ"とスタッフに指示を出すと、"楽しそうに話していらっしゃるのでもう少し・・・"と。スタッフものんびりしたものである。(微笑)
中には遠くから足を運んでくださる方もいる。地元の人の中には物珍しいのか見ず知らずの人にも声をかける。"お宅さんはどちらから?""○○からです""遠くから大変ですね""それが・・・"と、ココにいたるまでの苦労話が始まる。これが都会だと、黙々と雑誌を読んでいたり、TVを眺めたりするのだろうが、ココは全く別世界!なかには、床に座り込んでTVを見てあたかも自分の家にいるようである。(笑)
私の中のヒットは、年齢の話。"もうだめだね"という86歳に"あんたまだまだ若いから"と92歳!この街では、80代は若い。50代は子供。40代にはいったばかりのうちのスタッフなど赤ん坊のようなものだ。(私もそうかもしれない)
最近、午後が遊園地と化している。小学校低学年である。子供たちだけで通院しているのだがギャラリーが多い。1人の治療に2〜3人、多いときは5〜6人で来る。現在は何人か通院しているので、皆でやってくる。寝転んで本を読んだり、絵を描いたり、脱いだ物は放りっぱなし好き放題。"子供がいるとにぎやかでいいね"と言ってくださる患者さん。こうして1日が過ぎていく。狭いながらもうちの待合室は大活躍である。
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