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北海道保険医新聞より
一面記事

医療を崩壊させないために
公開医政講演会に128人

 公開医政講演会を三月一日、虎の門病院 泌尿器科部長 小松秀樹氏を講師に迎え、「医療を崩壊させないために」をテーマに開催した。小松氏は「医療崩壊−立ち去り型サボタージュとは何か」「医療の限界」などの著者であり、発言する第一線の臨床医として注目を浴びている。当日は道内各地より百二十八名が参加した。

 講演で小松氏は、冒頭、いま日本の医療機関は「医療費抑制」と「安全要求」という相矛盾する二つの強い圧力にさらされていると指摘。労働環境の悪化と患者との軋轢のために、医師は士気を失い病院から離れはじめ、産科や救急など脆弱な部分から医療が崩壊していると説明した。さらに士気喪失の象徴となったのが刑事司法の介入であると言及した。

 このような危機的な状況を背景に、医療事故を調査する第三者機関の設置を求める声が高まり、〇五年九月より診療関連死調査分析モデル事業が開始され、〇七年四(→三)月には「医療(→診療)行為に関連した死因究明等の在り方に関する検討会」が発足、十月には厚労省より第二次試案が発表されたことを紹介。第二次試案では、理念部分で「安全・安心」という言葉が使用されているように、患者側の主観的な願望の実現を医療側の責任としているところに最大の問題があると指摘した。さらに第二次試案が実施されると、設置される委員会に法律関係者や患者・遺族の代表者が参加し、調査報告書を行政処分や刑事手続きに使用される恐れがあるなど、組織や運営での問題点を解説し、その結果、患者側と医療提供者の間での軋轢が高まり、紛争になりやすい重症救急患者の診療を避けることに繋がり、医療崩壊が促進されると説明した。

 最後に、今回の第二次試案によって厚労省が医療の全てを支配し、医療の進歩と国民への適切な医療の提供を阻むことが懸念される。いま必要とされることは患者・家族の理解と納得を高めるための支援制度の創設であり、医療提供者との軋轢を小さくするための対策であると言及した。

 参加者からは、「医療崩壊を今まで考えなかった視点より論じて頂き、大変勉強になった」「三十代の医師ですが、我々世代こそが小松先生のように声を出して議論しなければならないと思った」「小松先生の思いや会場の先生方の熱い思いがよくわかり感動した」と大変好評であった。


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