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救急患者の受け入れ拒否が相次いでいる。それが過疎地ではなく、都市部の基幹病院でおきているところに問題の根の深さがある。地域医療の崩壊がいまや日常的で、国民皆保険は日ごとに劣化の一途だ▼「勤務医不足が原因」と考える政府は、医学部の定員増で解決をはかるという。ふり返れば、医療費抑制のため「医師数増加が医療費増大を招く」との理屈で、医師養成の削減や保険医の定年制を画策したのは同じ政府であった▼最近の実証的研究によれば、信頼性の高いデータと精密な分析を用いれば医師誘発需要の影響は小さくなるという(日野秀逸)。むしろ医療の進歩による雇用をはじめとする経済への波及効果のほうがはるかに大きいのである▼さて医師を増やせば問題が解決するか。誰もそうとは思わないだろう。ことは量的問題ではない。医療費抑制策に起因する質的問題なのだからである。経済政策の失敗のツケを医療費抑制に転嫁されてはたまらない。厚生省時代からの、根拠のない仮説を駆使した場当たり的な体質はいまだもって「更正」できないでいるらしい。(k)
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