|
加速する医療崩壊
福田内閣は、昨年十二月、閣僚折衝で診療報酬改定の本体部分を〇・三八%引き上げる方針を決定した。薬価・材料費を一・二%引き下げるため、全体では〇・八二%減となり、四回連続のマイナス改定となる。
財務省や経済財政諮問会議の民間議員が診療報酬本体の引き下げを強く求めるなかで、中医協が「本体部分のマイナス改定は避けるべき」との意見書をまとめ、
本体が政府決定でプラス改定になったことは、患者、国民、医療担当者の「ストップ医療崩壊」の願いと運動の反映である。
しかし、改定の中身として、開業医の初再診料など診療報酬を削減し、勤務医の負担軽減が盛り込まれた。 もちろん勤務医の負担軽減は重要だが、そのために、ただでさえ厳しい開業医の経営状況をさらに窮地に追い込み、地域医療を崩壊させてはならない。勤務医の過重労働緩和の第一歩は、交代勤務可能な体制の確保であり、そのためには原資となる病院の診療報酬の引き上げである。
診療報酬は、患者さんが医療保険で受けられる診療の内容を決めるものであり、改定率は、患者さんへの医療内容を良くするのか、抑制するのかに直結する。
だからこそ、診療報酬改定率について「医療崩壊」を解決する観点から、国会で正面から議論し、財源措置を実現して欲しかった。改定率総枠▲〇・八二%では、「医療崩壊」をストップするどころか、さらなる医療崩壊の連鎖を起こしかねない。
社会問題にまでなっている産科、小児科、救急医療提供体制の減少や、"歯科医師五人に一人がワーキングプア"と言われる状況など、「医療崩壊」の根本原因は、欧米諸国に比べて低い医療費をさらに抑制した結果である。
国 民の命と健康に責任を持つべき政府が行う対策は、進行する「医療崩壊」にストップをかけることである。それには診療報酬の大幅な引き上げが不可欠である。
本来、国が負担すべき医療費を二二〇〇億円も削減したことは、政治への責任放棄であり、強く抗議する。
|